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新曲のファインダーに素敵に合うと思うんだ。俺は取り敢えず初恋と共に固定した。 -- (名無しさん) 2011-11-02 23 04 12 これで初めての恋が終わる時は完ぺきだ。ミクが歌いPVはメイコ -- (名無しさん) 2011-11-03 00 25 08 ↑よう俺。イントロで圧倒的なボリュームのお胸が視界に入りWROST出したぜ -- (名無しさん) 2011-11-03 16 59 34 ↑あれ、俺昨日書き込んだっけ・・・? -- (名無しさん) 2011-11-04 12 27 40 ↑4 ファインダーはもうこれしか考えられないな。柱からひょっこり顔だして走り出すめーちゃんが可愛すぎる//// -- (名無しさん) 2011-11-04 16 29 53 今日このモジュでDearやってる人見た・・・超暑そうでした。 -- (名無しさん) 2012-03-27 16 20 55 なんで誰もパズルで使うって人いないんだ鉄板だろ -- (名無しさん) 2012-10-27 20 27 08 これ白雪に使う人俺だけかな? -- (名無しさん) 2013-02-17 18 08 45 ハト安定 -- (名無しさん) 2013-10-17 17 37 15 金の聖夜やらせたら可愛すぎてヤバかった -- (ポップスター) 2013-12-24 15 07 59 MEGANEとか絶対合います。大体冬PVにおすすめ。夏だったらこの人どうすんやろ・・・ -- (秋奈多二梅雨) 2015-05-02 12 21 32
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打開条件 クエストモードクリア 達成者 リヒト 達成日 2009/11/2 打開期間 4時間 1ラインの白いアンスコがまぶしかったです
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レア鎧の一つ BBで登場した防具であり、レッドコートの完全上位互換。 セット効果が非常に強力。セットとなる武器は該当カテゴリ内でも1,2位を争う性能にまで引き上げられる。 特に重要なのが命中の上昇。限界命中値に不安を持つヒューキャスト、ハニュエールには嬉しい。 また、地味に耐性が高めなのも大事な点。凶悪なテクニック攻撃を持つボルオプトVer2やダーク・ファルスなどで 生死を分ける事も。 データ GC・X-BOX・BB レアLv 防御力 回避率 炎耐性 氷耐性 雷耐性 光耐性 闇耐性 装備条件 特殊効果 11 158~170 136~148 10 10 10 14 14 Lv101 セット装備あり(下記) 赤のセイバー、赤のダガー、赤のスライサーとセット装備することで攻撃力1.5倍、命中+22
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前ページ次ページ悪魔も泣き出す使い魔 ~2つの依頼~ 秘書の願いに応えよ 降臨祭の日。 オスマン学院長の秘書である、ミス・ロングビルは、アンリエッタ王女を迎えるパレードで賑わう外には、顔も出すこともなく、 学院長室で、いつもの様に書類をまとめる作業に勤しんでいた。 そんな中、窓の外から流れてきた一筋の風が、書類の一枚をめくった。 開けた憶えも無いと言うのに、どうしたのだろうか? 不思議に思いながら窓を閉めようとするロングビルに、男の声が背後から話しかけてきた。 「元気そうだね。マチルダ」 「!?」 声のする方を振り返ると、そこには白い仮面をつけ、黒いマントをまとった、長身の男がそこに立っていた。 「失敗した上に、報告にも帰ってこない君に、司教はお怒りだよ?」 ロングビルは震える肩を必死に抑えながら、弱気な態度を見せないように、なんとか反論してみせる。 「わたしは、あんた達に金で雇われてただけだよ。別に忠誠を誓ったわけでもないだろう」 「そうだね、その通りだ。そこでだ、君はもう要らない事になった。ああ、大丈夫だ。 換えの補充もできているし。君に憑けていたアレも、無事に監獄から回収させてもらった」 「…それで、用済みになった盗っ人は、さっさと消えて欲しいって訳かい?」 ロングビルは、今、自分の命がここで絶たれる事を覚悟する。 しかし、次に仮面の男の口から出たのは、意外な言葉であった。 「いや、命の保障はするよ。ここで学院長の秘書、ミス・ロングビルとして一生を過ごすがいい」 拍子抜けしてしまったロングビル。 しかし、まだ油断するには早い。そう思うと、握りしめた拳の力を抜くことができなかった。 そして、白仮面の口元から空気が漏れる音がし始めた。 「それからもう一つ、司教の計らいでね。君はもう、マチルダでもフーケでも無くなったろう? だから、我々が保護している君の家族、アレも消してあげようと。そう言う事だ」 「ちょっと…待ってよ!?」 それを聞いた、ロングビルの顔が、一気に引き攣った。 「その役目は、私が仰せつかった。明日にでもアルビオン行きの任務があるからね。 その帰りにでも済ませておこう」 「…ちょっと……っ!」 「さて、長話もここまでだ。それでは、ごきげんよう。ミス」 「待ちなって言ってるだろう!!」 必死に引き止めるも虚しく、仮面の男は風の様に消え去り、残されたロングビルはただ一人、風に煽られて舞い散る書類に囲まれながら、呆然と立ち尽くしていた。 「…待ってよ…」 その夜。 アンリエッタ王女は、学院の生徒である旧友の部屋の前に訪れていた。 扉の前で一呼吸置いてから、規則正しくノックする。 初めに長く二回、それから短く3回・・・。 扉が開かれると、アンリエッタは深く被った頭巾の奥から、ギョッとした顔を除かせた。 目の前に現れたのは、見た目の可愛らしい旧知の友ではなく、立派な体躯の上半身を露わにしている大柄な男だった。 多分、風呂上りの様子だった。 「あっ…あのっ…」 「トイレなら、真っ直ぐ行って突き当りだ」 恐る恐る尋ねようとするアンリエッタに、男は濡れた銀髪をカシャカシャと掻きながら、面倒臭そうにそう答えると、バタンと扉を閉めた。 あ、あれ?部屋を間違えたのかしら?? でも、ここは、女…子、寮…? 予想外の事態に困惑するアンリエッタは、どうにか気を落ち着かせる。 それからもう一度、ゆっくりと深呼吸してから、恐る恐る扉をノックした。 「!?」 今度こそルイズが出てきた。もう自分の正体に、気づいている様子だった。 アンリエッタは、今にもルイズを抱擁したい気持ちを抑え、しっ、と唇に人差指を当ててみせる。 それから杖を取り出し、先ずはルイズの部屋に探知の魔法を掛けて回った。 …それにしても部屋の中がうるさい。 部屋の隅に置かれた箱から、大音量で何やら歌の様なものが聞こえていた。 ルイズは、困惑しているアンリエッタの様子に気がついたのか、先程の大男に命令している。 「姫殿下の御膳よ!さっさとこの、やかましい雑音を消しなさい!」 「雑音ね。ハッハッ!お前、今までノリノリで聞いてたじゃないか」 「な…!なっ、何そんなデタラメ…!?」 「ホラ、姫殿下に見せてやろうか?ニヤけたツラして、ニワトリみたいに首を上下に・・・」 「やめてええぇ!!」 ルイズの真似事をしてみせる男と、顔を真っ赤にさせてそれを否定するルイズの様子は、仲の良い兄妹の様にも見えた。 その光景を見ていたアンリエッタは、思わず吹き出してしまった。「羨ましい」と、そう思いながら。 それから、男が流れる歌を止めようと、箱を弄り始めたが、いつまで経っても鳴り止まない様子だったので、男はその箱を豪快に蹴り飛ばす。 騒音が響き、アンリエッタがビクッ!と肩を震わせる中、今度こそ静かになった。 フリッグの舞踏会が終わった後、ダンテは宝物庫に置かれていた私物を、ルイズの部屋に次々と運んでいった。 ルイズ自身は、物珍しさもあってか、あまりそれを嫌がる素振りは見せなかった。 机こそ無いもの、今ではルイズの部屋の半分は、すっかり"ダンテの事務所"と化している。 ジュークボックスの電源は、バイクの整備がてらに、作ったバッテリーによって供給されていた。 バッテリーと言っても、コンセントの付いた箱に、電気を帯びたネヴァンの蝙蝠を二、三匹、適当に突っ込んでいるだけの御粗末な代物だが。 大音量で流れるハードロックを、最初は嫌々聞いていたルイズだが、今ではお気に入りの様子である。 夜通し流れる騒音に耐え切れずに出て行った、隣部屋の住人もいたが、たまに、夜中にも関わらず、タバサが本を何冊か持って、ルイズの部屋に来る事もあった。 目の前で人目もはばからず、ぎゃあぎゃあ騒ぐルイズに、アンリエッタが控えめに声を掛けた。 「お久しぶりね、ルイズ。変わり無いみたいで、嬉しい」 それを聞いたルイズは、両手で引っ張っているダンテの髪と頬を振り払い、アンリエッタの両手を握った。 「ひっ、姫殿下!いけません!こんな下賤な場所へ、お越しになられるなんて…」 感極まったアンリエッタは、動揺するルイズに抱きつき、それから一歩下がって、急な夜の来訪に頭を下げた。 「お取り込み中に粗相をいたしたようで、ごめんなさいね。本当にごめんなさい。わたしのおともだち」 「何をおっしゃいます!姫殿下が詫びる様な事は、何一つございませんわ」 それから再び抱き合う2人を横目に、ダンテは部屋から抜け出そうとしていた。 それに気が付いたルイズが声をかけた。 「ちょっと、姫殿下がわざわざお越しくださったというのに、どこ行こうってのよ!」 「感動の対面なんだろ?終わるまで先生の所で飲んでくるよ」 それを聞いたルイズは、怒涛の勢いで引き止める。 「駄目よ!ミスタ・コルベールの部屋は、今じゃツェルプストーの巣窟じゃない。絶対行っちゃ駄目だからね!」 「クラスメイトを害虫みたいに言ってやるんじゃねえよ。誰のせいで隣の部屋から出てったと思ってんだ?」 「うぐ…!もっ、もとはと言えば、アンタが私の部屋に、こ、こんなモン持って来たのが、いけないんじゃないの!」 「あーあー、そういう事にしといてやるよ」 それからダンテがドアノブに手を掛けようとしたとき、足元に何やら気配を感じた。 そっと開けてみると、そこにはロングビルがダンテの足元で、部屋の様子を探らんとばかりに、しゃがみ込んでいた。 「いい?今夜ミスタ・コルベールの所に行ったら絶対許さないんだから!」 ダンテは、「あっ」と目を合わせた瞬間、「はわわわ」などと声を漏らして取り乱すロングビルの姿が、ルイズ達に見えないように、ゆっくり扉を閉めながら、返事をしてみせた。 「わぁーかったよ!厨房で寂しく飲んでりゃいいんだろう?」 「飲みすぎるんじゃないわよ。それから、寝る前には絶対帰ってきなさい!いいわね?」 「子供扱いは勘弁してくれよ…」 ダンテは、主人に不満を漏らしながら、壁に掛けられたコートとデルフリンガーを手に持ち、勢い良くドアを開ける。 今度はロングビルに換わってギーシュが、外でしゃがみ込んでいた。 ダンテはそれを軽く蹴り飛ばして、ルイズの部屋を出て行った。 「姫殿下。御見苦しいところを見られた様で、…御無礼をお許しくださいませ」 ダンテを見送った後も、ギーシュに気づかなかったルイズは、振り返って慌しく謝罪するが、当のアンリエッタは、あまり気にした様子も無く、ルイズの部屋の周りをまじまじと見回していた。 ルイズの部屋の壁には、先程ダンテが持っていったデルフリンガーをはじめ、ケルベロス、ネヴァン、ショットガン等々が所狭しと掛けられていた。 アグニ&ルドラは、タバサの部屋で管理されていた。 「それにしても、ルイズは、その、何と言うか… やはり、武家としての、ヴァリエールの血が濃く流れているのね」 「ちっ、違います。そこにある物は、全部アイツの持ち物ですから」 「あら、そうでしたの。…今の彼、私から見ても素敵な殿方ね。 年上の婚約者がいたとは聞いてたけど、ルイズにピッタリだわ!ウフフ」 再び顔を真っ赤にさせて、アンリエッタに反論するルイズ。 こればっかりは何としても誤解を解きたかった。 「ち ち ち 違いますってば!あんなの婚約者でも何でも…。 アレは私の単なる使い魔ですから!本当に、何でも無いですから!」 「は?」 「つ・か・い・い・ま、ですから!」 「は、はあ…」 場所は変わって、アルヴィーズの食堂。 生徒達の声で賑わう、昼間の様子とは打って変わって、夜は小さな魔法人形達の舞踏会が繰り広げられていた。 食堂の席には一組の男女が、その観客として席についている。 「夜のお誘いは大歓迎だね。アンタも眠れないクチかい?」 ダンテの問いかけに、ロングビルは答える様子も無く、ただ黙って俯いていた。 「どうした?俺に何か用があって来たんじゃないのか?」 「あんたに頼めるような義理じゃないんだけど…」 どこから話せば、何をどう頼めばいいのか、考える事も覚束ない ロングビルに代わって、ダンテから話を切り出してきた。 「制裁ってヤツか?」 ロングビルが、ハッとして顔を上げる。 それからダンテが、人差指で顎先をトントンと叩きながら、わざとらしく考え込み、じっとロングビルの瞳を見詰めた。 「大抵、頭がキレてタマの小さい野郎ほど、やらしいお仕置きを考え付くのが相場ときたモンだが…」 ロングビルは、ダンテのその瞳の奥に引き込まれそうになるのが怖くなり、慌てて目を逸らそうとしようとしたところ、じっと黙って見詰めていたダンテが口開いた。 「家族ってところか?」 最初から何でも知っていた様な素振りのダンテに、ロングビルが声を震わせながら聞こうとする。 「何で…」 知っているのか? それ以上は声が出せなかった。 それからダンテは、肩をすくめながら言ってみせた。 「これでもな。"ソッチ"の職歴は、アンタとタメ張れそうだぜ?…今はベビーシッター1年生だがね」 なんだ、こいつもこちら側の人間だったんじゃないか。 それが判ると、ロングビルは思わず苦笑を漏らした。 それからのロングビルは落ち着きを取り戻したのか、身内の命が狙われんとしている状況を説明した。 「血も繋がって無い、他人同士なんだけどね。妹みたいなモンさ」 ロングビルはそう言いながら、テーブルの向こうで、クルクルと金髪を舞わせる、少女の小人形を、いとおしそうに見つめていた。 それからダンテが、改めて問い質した、ロングビルが正直に答えた。 「これからどうしたいんだ?」 「今すぐ傍に行ってやりたい。本当に、今すぐにでも…」 それを聞いたダンテは、タン!とテーブルを叩きながら、 颯爽とロングビルに向かって身を乗り出し、手を差し伸べた。 「オーケー。決まりだな」 前ページ次ページ悪魔も泣き出す使い魔
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Lyrical Magical Stylish Final Mission Jackpot 「フハハハハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!!」 倒れ伏す二人には最早目もくれず、ムンドゥスは狂ったように笑い続ける。 (…………) その光景を見る―――いや、感じ取っている―――存在があった。 (……全く、世話の焼ける連中だ) テメンニグルの屋上でダンテに斬られた男、バージルその人。と言っても、その場に実体があるわけではなく、幽霊のような存在なのだが。 どういうことかというと、肉体があったなら確実に死んでいた一撃だったが、幸か不幸かあのときのバージルは悪魔と同じ存在だった。 ムンドゥスが作り出した魔力、それに指向性を与え、仮初の体を得た存在。それがあのときのバージルだ。 ゆえに、体が失われても、その存在の根底を支えるだけ魔力が残っているのであれば、いずれ周囲の魔力を吸収して復活できる存在だったのだ。 もっとも、ダンテが与えたダメージはあまりに甚大で、こうやって意識を残しておくのが精一杯だったのだが。 (……だが、今なら俺は―――) 相変わらずひたすら笑い続けるムンドゥスを完全に無視して、バージルは二人へ目を向け、そして決めた。 「……あれ、私」 目を開けると、そこは真っ暗な空間だった。ドッペルゲンガーと戦った場所以上に暗く、周囲には何も見えない。魔法で照らそうと思ったところで、握っていたはずのレイジングハートがなくなっていることに気付く。 「……死んじゃったのかな」 レーザーを食らったところまでは覚えているが、そこから先の記憶がない。だとすれば、死んだと見るのが妥当か。 「あーあ、ゴメンねフェイトちゃん、クロノくん、ダンテさん」 今なお戦っているであろう友人たちに謝る。だが、死んだはずの自分が何故こうやって色々考えたり出来るのだろうか、そこに疑問を持つより早く、なのは以外の人物の声が響いた。 「……俺と互角に戦ったくせに、随分あっさりと認めるのだな?」 「あ、バージルさん。どうもこんにちわ。こんにちわ、であってますよね?」 「そんなのはどうでもいい。貴様は、死んだと認めるのか!?」 「認めるも認めないも……こんな何もない場所、死後の世界くらいしか考えられないじゃないですか」 そこにバージルが出てきたことも、そう認識させる要因の一つなのだが。なのはは周囲を見回しながら答える。 そんななのはにバージルは溜息一つ付くと、心底見下した表情でつまらなさそうに呟いた。 「……所詮、その程度か」 「そりゃ私だって死にたくないし、死んだなんて認めたくないですけど」 「ならば立ち上がれ。聞こえぬのか? 耳障りな笑い声が」 言われるままになのはは耳を澄ます。だが、何も聞こえない。 変に期待を持たせるな、バージルにそう文句を言おうとしたところで――― ―――ハハハハハハハハハハ!! ハーッハッハッハッハッハ!!!――― 「…………」 かすかだが、聞こえてきた。何がそんなに面白いのか、狂ったように笑い続けている。その哄笑になのはは顔を顰め、心底魔帝を蔑んだ表情を見せて一言。 「Too noisy(うるさいなぁ)……」 なのはの言葉を聞いたバージルが初めて笑みを見せる。それは、彼の弟ダンテとそっくりな、凶悪で、大胆で、不敵な笑顔だった。 「ならばどうする」 「決まってます。黙らせる」 いつの間にか手の中に現れていたレイジングハートを肩に担ぎ、バージルに負けないぐらいの不敵な笑顔を見せる。そこには、自分が死んだなんて思いは欠片も残っていなかった。 「―――いい返事だ。征け、高町なのは」 「あ、私の名前、覚えててくれたんですか」 「……まあな」 「嬉しいです。じゃあ、バージルさんもお元気で」 「ああ」 それと同時に、周囲の闇が消えていく。顔を上げると、まばゆい光が射し込んでいた。 「う……」 目を開くと、視界がぼやけていたが、そこは随分と見慣れた戦場だった。 痛いほどに握り締めていたレイジングハートを杖代わりに立とうとして、全身を激痛が突き抜ける。が、こんなところで跪いてなんていられない。 ―――この体には、まだ戦うだけの力がある。この心には、まだ戦うための意志がある。 「あああああっ!!!」 「……ほう、まだ立ち上がるか」 なりふり構わぬ咆哮で全身に喝を。ふらつく体、霞む視界、止まらぬ出血、残り少ない魔力。 状況は絶望的、それでも、未だ魂は砕けてはいない。なら、戦える。 「私は、諦めない。絶対に、諦めない!!」 「たった一人で我に歯向かう? 驕るな! 矮小な人間風情が!!」 ムンドゥスの怒気が衝撃波となってなのはを襲う。なのははそよ風が吹いただけでも倒れそうな体を無理矢理支え、さも可笑しいとばかりにムンドゥスの言を笑い飛ばした。 「一人? ハッ、笑わせないでよ。ダンテさんは絶対に立ち上がる。それに―――」 どんな状況でも不敵に笑って軽口一つ。 「私は、一人じゃない」 その姿は、本人を前にしたら口が裂けてもいえないけれど、ひそかに憧れた魔剣士そのもの。 「いつだって、一緒に戦ってくれる相棒がいる」 「Yes. You are the sweet master(あなたは最高だ)」 自分が負うはずだった傷を肩代わりして、全身ヒビだらけになりながらも共に闘うと言ってくれる。 「私を信じて、何も言わずに送り出してくれた家族がいる!」 いつもいつも、全幅の信頼を置いてくれる家族を裏切ることなんて出来やしない。 「強さで言っちゃえば圧倒的に劣る私を信じて、背中を任せてくれた人がいる!!」 たった数日共に闘っただけなのに、相棒と呼んでその背中を任せてくれたダンテ。 自分はこんなにも多くの人に支えられている。それなのに、自分勝手に諦めて道を閉ざすなんてそんなことは絶対に出来ない。 「だから―――仲間を平然と見捨てるテメェなんかに、絶対に負けてやるもんか!!」 「騒がしい小娘が……我を侮辱した罪、死すら生温い!」 「Com n winp!!(かかって来いよ、ノロマ野郎!!)ダンテさんが戻るまで、私が相手をしてやる!!」 締めとばかりに中指を突きつけ、飛んできたレーザーを空に舞って回避する。 「「―――Let s Rock!!」」 そしてなのはは無数のヒビが入ったレイジングハートを構え、最後の戦いへと挑む。 「あー、死んじまったのか……参ったな、ダディやマミィに何て謝りゃいいんだか」 目を開いた先は、何もない闇。周囲には何もなく、ダンテはリベリオンを失った自身の右手を眺めてぼやく。 ―――ふん、散々大口叩いて、結局お前も俺と同じだったということか――― 聞こえてきたのは懐かしい声。つい先ほどダンテに斬られて消えていったはずの兄のもの。 「まあ、そーいうことだな。ったく、情けない話だぜ」 それに反論する気力もなく、ダンテは首を振る。何と言われようが、自分は死んでしまったのだから。 「そうか、ならば俺は貴様の体を奪い、今度こそ魔帝を倒す」 その言葉と共にバージルが突如現れる。それでも、ダンテは特に何も思うところがなかった。 「好きにしてくれよ」 「……ふん、見下げ果てたヤツだ。だが、これを見てもまだ同じことが言えるか?」 「あん?」 バージルが閻魔刀を振る。すると、真っ暗だった周囲が一部裂け、そこについ先ほどまでの戦場が浮かび上がった。そこで見た、信じられない光景にダンテは驚愕する。 そこには、愛杖もろともズタボロになり、ダンテを失い、それでもなおムンドゥスに立ち向かうなのはの姿が映し出されていた。 「!!」 「聞こえるだろう。あの女の叫びが」 ―――ダンテさんは、絶対に立ち上がる!――― 「……耳が痛いな」 ―――私は、一人じゃない! 私を信じて、背中を任せてくれた人がいる!!――― 「……参った、こりゃ参ったぜ」 自然と口の形が笑みを象っていく。 かつて、自分はなのはに何と言った? 「俺がやるから安心しろよ」 かつて、自分は士郎と桃子に何と言った? 「なのはは俺が守る」 今までお前はどうやって生きてきた? 「でかい口叩いて、それを嘘にしないように生きてきた。地べたを這いずり回って、血反吐を吐いて、それでも言ったことだけは絶対に譲らなかった」 なのに、そうやって平然とくたばるつもりか? まだ何も終わっちゃいないと言うのに? 「……確かに、どうかしてたわ。俺」 そうだ。ここで倒れるというのは今までの自分を全否定するのと同じだ。いや、自分だけじゃない。自分を信じて、力を貸してくれた気のいい連中全員を裏切ることになる。 どんなに情けなく映ったとしても―――それだけは、絶対に出来るわけがない。 ―――Com n winp!!(かかって来いよ、ノロマ野郎!!)ダンテさんが戻るまで、私が相手をしてやる!!――― 「やれやれ、ホントとんでもねーガッツだな」 ダンテは笑って、いつの間にか手の中に生まれていたリベリオンを強く握り締める。その笑顔は、先ほどなのはが浮かべたものと全く同じだった。 「オーライ分かったよSweet Magical Girl. お前が折れないのに、俺が先に折れるわけにはいかねーよな」 折れていた心が蘇る。光を失った目に、再び戦意が満ちる。 「……ふん、手間のかかる弟だ」 「わりーわりー、さすがにこんな経験は始めてでよ」 ハッハッハ、とダンテは笑う。バージルもまた、ダンテの決意をかすかな微笑で受け止める。 「じゃ、行くわ。あんまり待たせちゃ悪いしな」 「ああ」 ダンテはバージルに背を向け、その背にバージルの声を受けながら、かすかに見える光へと向かう。 光は瞬く間に強くなり、周囲の闇を吹き払う。ダンテは眩しい光に目を細め、そしてバージルが小さく何かを呟いたのを聞いた、気がした。 「―――ああ、わかってんよ、兄貴。頑張ってくる」 目を開く。流れた血が入り込んだか、左目の視界が酷く悪い。そんな中で、ダンテはムンドゥスと、その周囲を飛び交う光、そしてそれを操るなのはの姿を捉えていた。 「……よし、行くか」 強かに打ちつけた頭は酷く痛む。半分塞がれた視界が気持ち悪い。血を流しすぎたか、剣を握る右腕が震えている。レーザーにぶち抜かれた腹は未だ白煙を上げ、覗き込めば内臓が見えそうだ。 それでも、気持ちは未だかつてないほど充実している。人の力の根源である魂が燃え滾っている。 「俺は、いつだって一人じゃない」 バージルに言った言葉を、そしてなのはが言っていた言葉を反芻する。俺が死んで、困るのは俺だけじゃない。なら、死ぬわけにはいかない。 ダンテは口を笑みの形に歪めると、愛剣と共に駆け出した。 「―――Let s Rock!!!」 「!! ダンテさん!!」 「! 貴様ぁ!」 「おおおおおおおっ!!!」 ダンテがいないことから、接近しての直撃を狙わざるを得なかったなのはに迫る魔帝の拳、それを雄叫びと共に弾き飛ばしたのはダンテのリベリオンだった。 「悪い、待たせたな!」 「全くです!」 「その分派手に行くぜ!」 ズタズタに傷ついた体のどこにまだそんな力が眠っているのか、ダンテの振るうリベリオンは全快時と何ら遜色ない、いやむしろ、強力になったまである。 そして、リベリオンが遂にムンドゥスの腹部にヒビを入れた。それまでと違う小さな、だが確実なヒビは、ダンテとなのはの攻撃がムンドゥスを着実に追い詰めていることを示している。 「行ける! レイジングハートッ!!」 「うおおおおっ!!」 闘志が爆発する。敵の体力も底なしではない、そしてその底が確実に近付いている。二人は裂帛の気合と共に、息も付かせぬ総攻撃を仕掛け続ける。 「があああああっ!!」 「どわっ!?」 「きゃあっ!」 凄まじい猛攻に耐えかねたか、遂にムンドゥスが絶叫を上げる。だが、そこから迸った衝撃波が二人の猛攻を止める。 「貴様らぁぁぁぁぁ!!」 「へっ、とっとと止めを刺さねーからだぜ」 「その通り。そんな慢心ばっかだから私たちに勝てないんだよ、間抜け」 「許さん、許さんぞぉぉぉぉ!!!」 ムンドゥスは両手に限界を超えた魔力を溜める。それは、魔力を糧に生きる悪魔にとって自身の寿命を縮める行為だ。それでもなお、捨て身の行動に出た理由はひとつ。 ―――決着のときは、近い。 「……さて、そろそろいいんじゃねーか?」 「ですね。あんまり出し惜しみするのもよくないし」 そして、二人もそれを受ける。いくらバージルに背中を押され再度戦えるようになったとは言っても、もとより分の悪い勝負だ、賭けの一つにでも勝たなければ勝機はない。 「そんなわけでダンテさん。しばらく時間稼いでくれますよね?」 「任せろ」 血塗れのダンテが不敵に笑う。その顔には一片の迷いもなく、ダンテ同様血塗れのなのはもまた、ダンテの全幅の信頼を不敵な笑顔で受け止める。 「無駄だと言うのがわからぬか!!」 「無駄かどうかは、テメエ自身で確かめな!」 魔力の篭ったムンドゥスの拳を同じく魔力を乗せたリベリオンで弾き返し、ダンテは真正面から斬りかかっていく。 フラフラのなのははそれを見届けると、痛みで消えそうになる意識を繋ぎ、霞む目を見開いて愛杖を一振り。気合は十分、リアクター・パージで消し飛んだために残り少ないバリアジャケットすら極一部を除いて魔力に再変換し、なのはは魔法陣を描く。 「まさか無理だなんて言わないよね? レイジングハート?」 「Too easy, and you?」 「もちろん、楽勝!!」 自身も愛杖も状態は最悪。それでも、この体を突き動かす魂だけは、何人たりとも挫くことなど出来やしない。 「レイジングハート・ドッペルゲンガー起動」 「Mode doppel ganger ready」 アフターイメージ、ドッペルゲンガーの使える唯一の機能。なのはの隣に全く同じ姿をした影が現れる。 「……いくよ。風は空に! 星は天に! 輝く光はこの腕に! 不屈の心はこの胸に!! レイジングハート、シーリングモードフルドライブ!!」 「Sealing mode full drive ignition. Get ready, Master?」 星をも打ち抜く破壊の光が二つのレイジングハートに収束していく。 「Lyrical Magical Stylish!! 咎人達に滅びの光を! 星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ! 貫け! 閃光!!」 地獄に二つの太陽が出現する。 限界まで収束された、なのは最大の切り札が発動の瞬間を今か今かと待ちわびている。 「ダンテさんっ!!」 「ウオオオッ!!」 ダンテはなのはが魔法のチャージを終えたことを知り、渾身の力でムンドゥスにリベリオンを投げつける。回転しながら突き進むラウンドトリップが周囲を巻き込む竜巻じみた攻撃なら、今回の投擲は外れることのない真紅の弓矢。 「グアアアアアアッ!?」 音速を超えたダンテのソードピアスはムンドゥスの生む力場を容易く貫通し、狙い済ましたようにムンドゥスの第三の目に深々と突き刺さる。 「派手にぶちかませ!!」 「Alright!!」 魔力を溜める、そのポイントであった第三の目を貫かれ、ムンドゥスの攻撃の手が止まる。ダンテはその隙に一っ跳びで魔法の射程外へ退避。 それを見届けたなのはは、限界を超えて集った魔力に最後のワンフレーズとともにレイジングハートを叩きつけようと振りかぶった。 ―――さあ、全ての準備は整った。魔帝に、人の真の力を見せ付けてやろう。 「スターライト――― これを撃ってしまったら、もう次はない。一瞬頭を過ぎったそんな後ろ向きの思考を不敵に笑い飛ばす。後のことを考えるなんて、随分余裕じゃないか。 通じなかったらどうする。次に過ぎるのはやはりネガティブな思い。だが、それすらもまた悪魔の笑みで吹き飛ばす。通じる、通じないではない、通すのだ。 自身に囁く弱気の虫を完膚なきまでに叩き潰し、なのはは万感の想いを込めて最後の魔法を解き放つ。 ―――ブレイカァァァァァァーーーー!!!!」 アフターイメージもまた全く同時に解き放った二筋の閃光は、全てを撃ち抜き無に帰す星の怒りだ。 ディバインバスターを遥かに超えた空間そのものを破壊しつくす断罪の剣が、ダンテの頭上を飛び越えムンドゥスに直撃する。 「ガアアアア!! この程度ォォォ!!」 目を焼く光の向こうから聞こえるのは、未だムンドゥスが健在であることを示す咆哮。 「ブレイク―――」 それを打ち消すが如く、残る魔力を全てレイジングハートへと注ぎ込む。 何もかもが光でかき消されていく中、未だ止まない砲撃は更に凶悪な発光を見せ、終盤に向けてその威力を上げていく。 「Come on!!」 ダンテはムンドゥスに突き刺さったリベリオンを呼び戻し、肩に担ぐいつものポーズを見せながら口笛を吹く。 「ヒュゥ、コイツはスゲーぜ。負けてらんねぇなぁ、相棒?」 自身の頭上を超え、あのムンドゥスの巨体を真っ向から消滅せんと迸るスターライト・ブレイカーに感嘆の声を漏らし、ダンテは止めの一撃を放つべく自身の魔力を練り上げる。 確かにとんでもない一撃だが、ムンドゥスを倒すには至らない、ダンテは何故だか分からないけれどそう直感していた。ならば、ソイツに止めを刺すのは俺の役目。 リベリオンが発光を見せるのと同時に、ダンテは自身の中に浮かんだトリガーに手を掛けた。 「―――シューーート!!!」 なのはの絶叫、そして最後に一際強く輝く星の怒り。 「はぁっ……はぁっ……ダンテさん!!」 「ウオオオオオオーーーーッ!!!」 目に痛い白光が収まったのち、その中から現れたムンドゥスは胸から下が吹き飛ばされて、それでもなお健在だった。 フィンで浮遊するための魔力すら使ってしまったなのはは地上に跪き、急激な消耗で一気に消し飛びそうになる意識を必死の思いで掻き集め、ダンテの最後の攻撃を見守る。 なのはが見守る中、一直線にムンドゥスまで突き進んだダンテは遂に、手を掛けていたトリガーを全力で引いた。吹き荒れる魔力、リベリオンの装飾が凶暴に発光し、ダンテの姿が人間から悪魔のそれへと切り替わる。 スパーダとも違う、どこか人間ダンテを感じさせるその力。それはまさしく、最強の魔剣士スパーダの魂を受け継いだ、魔人ダンテの姿だった。 溶岩に崩れ落ち、随分と頭が低い位置に来たムンドゥスを足場に飛び上がり、エア・ハイクを使って更に高く飛び上がる。 「Sweet Dream(おネンネしてな)!!」 遂にムンドゥスの上を取ったダンテは、あまりの光景に目を剥くムンドゥスに中指を突き立てると、全身の力を込めてリベリオンを振り下ろした。 「オオオオオオーーーーーーッッ!!!」 「ガアアアアアアアアアア!!」 ムンドゥスの頭に突き刺さる死の一撃。ダンテの放つ業火のような真紅の魔力が周囲一体を染め上げる。荒れ狂う魔力がスパークを起こし、ダンテの攻撃が凄まじい威力であることが容易に見て取れる。 それでも、ムンドゥスは倒れない。なのは最強の一撃に耐え、今なおダンテ最強の一撃を受け続け、それでも膝を折らない姿はまさしく魔を統べる者だった。 「ダンテさん……頑張れ!!!」 薄れゆく視界の中、なのはは掠れる声で叫ぶ。力が全てを支配するこの場において、それはあまりにも弱弱しく。 ―――だが、期せずして放った言葉は、偶然にもバージルがダンテに向けたものと同じ。 兄と、相棒。二人の同じ声援が、ダンテの背を最後に強く押す。 当事者にしてみれば随分と長い、されど一瞬の停滞の後、リベリオンがムンドゥスをそのコア諸共真っ二つに引き裂いた。 「グアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」 凄まじい絶叫が周囲の空間そのものを揺るがす。それは、魔帝ムンドゥスの断末魔の叫び。 「我は……諦めぬ……何度でも……蘇って……見せようぞ……」 最後の恨みを残してムンドゥスが溶岩の中へ消えていく。それを見届けたダンテは魔人化を解除し、リベリオンを戻して不敵に笑った。 「へっ、何度だってぶっ飛ばしてやるさ」 魔帝が倒れたことにより、この空間そのものが崩壊する。以前の戦いでそれを知っていたダンテは踵を返すと、慌てて崩れ落ちたなのはの元へと駆け寄った。 すでに崩壊の予兆である地震が起き始めている。時間はあまりなさそうだ。 「ヘイ、しっかりしろ! 寝てる場合じゃねーぞ!」 「う……」 ペシペシ頬を叩くが、全く起きる気配がない。レイジングハートも杖の形こそしているが、応答がない。 それもそのはず、魔力が完全にゼロになってしまったのだ。少し寝てれば回復するのだろうが、今はその少しの時間も惜しい。 「ち……しょうがねーか」 なのはを抱えて外まで向かう、というのも考えたが、魔帝が力を失っても他の悪魔が消えるわけではない。 時間制限もあるし、残された悪魔がダンテとなのはを崩壊の巻き添えにせんとばかりに襲い掛かってくるのも目に見えている。そんな中、なのはを抱えて突っ走るのはさすがに無謀だ。 ダンテは唇を噛み切ると、相変わらず起きる気配のないなのはのそれに躊躇なく重ねた。 「……ン」 「あ……」 ダンテの血がなのはの口に流れ込む。意識が消えていたなのはだが、ダンテの血が無理矢理流し込まれた瞬間―― 「!!!!」 ビクン! と大きく体が跳ねた。強引に流し込まれたダンテの魔力が体内を蹂躙している。 だが、それも一瞬。周囲に霧散した魔力をも自身の魔力に変換できるなのはにとって、人の魔力を自身の魔力に変換するのは容易い。無意識ながら体が勝手にそれを行い、体に僅かだが力が戻る。 「……よぉ、寝覚めの気分はどうだ?」 「……最悪です」 僅かに開いた目から見えるのはダンテのアップ。なのはは今の心境をなんの躊躇いもなく口にした。 それを聞いたダンテは、ようやく調子が戻ってきたとばかりに笑い出す。 「ハハハハ、ソイツは結構。寝るのは布団まで我慢しな」 「……終わったんですよね?」 「まだだ」 「え」 「先生に教わらなかったか? 遠足は帰るまでが遠足だ。そら、とっとと行くぜ!」 地震が徐々に激しくなってきている。この場所も、今まで通ってきた場所も、いつまでもっているかなど分かったものではない。 なのはもまた、何となく起ころうとしていることを理解し、そして慌てて飛び上がる。 「ダッシュだ! しっかりついて来いよ!!」 「ダンテさんこそ! 転んでも待ちませんからね!!」 不敵な笑みを浮かべ、ダンテとなのはが全力で駆け出した。 大地を揺るがす爆炎が、周囲一体を真っ赤に染める。地球から程よく離れた無人世界の一つに魔界の門を空間ごと転移させたのは良かったが、後から後から際限なく溢れ出る悪魔を食い止めるにはアースラの乗組員だけではあまりにも人手が足りなかった。 「はぁ、はぁ……」 フェイトは荒い息をしながら、バルディッシュを強く握りなおす。リンディの機転により、門を無人世界に移してから一日。 休むまもなく増え続ける悪魔をひたすら狩り続けていたのだ。体力も魔力も既に限界を突破している。 それでも、なのはが出てくるまで、最悪の手段をとるわけには行かない。既にアースラの横で待機している巨大戦艦、それに装備されたアルカンシェルが、門を世界ごと吹き飛ばす準備を終えている。 フェイトたちが抑えきれないと分かったら、なのはたちを犠牲にしてでも門を消滅させるということだ。この世界が魔界になり、そして周囲の世界へ悪魔が飛んでいくのを看過するするわけにはいかないのだ。 「なのは……」 「フェイト、後ろだ!!」 「!!」 朦朧とする意識の中、親友の無事を祈る心だけが支える体。さすがに、そろそろアースラに戻って回復したほうがいいかもしれない。このままでは、いつ倒れるか分からない。 そんな状態のフェイトに、聞き慣れた声で突如叫ばれた己の名前。振り返ると、切り捨てたはずの死神が、フェイトに向かって鎌を振り下ろそうとしていた。 「あ……」 その奥に、必死の形相で助けようとこちらに向かうクロノが見える。でも、ちょっと間に合わないな……なんて他人事のように感じながら、フェイトは鎌の切っ先を眺めることしか出来ず――― 「Divine buster Ceruberus」 第三の声とともに迸った白光が、死神を一撃で氷漬けにし、それだけでは飽き足らないとばかりに凍ったまま粉々に吹き飛ばす。 続いて聞こえてきたのは、ここを戦場だと思っていないかのような暢気な会話。 「随分違う場所に出たが、砂しかねーな」 「良かったじゃないですか海に落ちなくて。ダンテさん、飛べないでしょう?」 「おいおい、そーいうときは運んでくれるもんだろう?」 「イヤですよ」 「え……な、のは?」 今のフェイトを救った一撃の声、それは今まで何度も聞いた、なのはの相棒レイジングハートのもので。その後聞こえてきた会話は間違いなくなのはとダンテのもので。 フェイトはふらつく足で門のほうに向き直る。クロノもまた、見覚えのある魔法に周囲の状況も忘れて門の方を見る。 「なの……は?」 歩いてくるのは二人の影。そのうちの一方は自分の親友であり、待ち焦がれていた人物であるはずなのに、フェイトはすぐにそれをなのはだと断定できなかった。 「What s wrong? フェイトちゃん。まるでお墓から出てきた死人でも見るような顔だよ?」 「そりゃ違うぜなのは。俺らを向かえるパーティの準備が終わんなかったから、せめて笑わしてやろうとあんな面白い顔してるのさ」 「あー成る程。それじゃあしょうがないか」 完全に周囲を気にしていない会話。周囲を覆う悪魔の群を一顧だにせず、二人は悠然と歩を進める。そんな二人が徐々に近付くにつれ、その凄まじい姿が露になる。 ダンテは、素晴らしい銀髪を半分以上血に染め、さらに頭から血を流している。頭から流れ出る血が顔を半分覆っており、さながらピエロだ。 真っ赤なコートは、元々赤かったのか血で染まったのか分からないぐらい血で染め上げられており、さらにところどころ開いた穴からはどう見ても致命傷というほどの傷跡が覗いている。 なのはもまたダンテに負けず劣らず凄まじい様相であり、頭から流れた血が顔を伝い、唇からさらに一筋、そして頬にも裂傷と流血が見て取れる。 可愛らしかったバリアジャケットはその殆どが消し飛んでおり、僅かに残ったそれも血で赤く染まり、さらに焦げ跡や斬られた跡が見える。 体がむき出しの部分にも無数の裂傷が刻まれ、白い肌を毒々しい赤が這っている。 だが、フェイトやクロノは二人の凄まじい様相よりも、何よりもその佇まいに目を奪われていた。 リベリオンとレイジングハート、自身の得物を肩に担ぎ、浮かべる笑顔は今まで見たことも無いほど大胆で、不敵で、そして凶悪に歪んでいた。悪魔も泣き出す、そんな表現がぴったりの凄惨な笑顔だ。 「ところでダンテさん、私、さっきのでスッカラカンなんですけど」 「ハハハ、そーいう時のためのコイツさ。片方使うといい」 「そうさせてもらいます」 戦闘の衝撃で高台になった砂地を歩くなのは。その隣、逆に窪んだところを歩くダンテ。上手い具合に身長差が消え、ちょうど二人の頭が同じぐらいの位置にある。 「それよりなのは、キメ台詞は覚えてるか?」 「あの品のないキメ台詞ですよね? 覚えてますよ。非常に残念ながら、ね」 「ソイツは結構。オーディエンスに見せ付けてやろうぜ」 自分たちを見る奇異と畏怖の視線はまるで意に介さず、ダンテとなのはは笑みを更に歪めて立ち止まり――― 「!! なのは、うし」 門から、とてつもない殺気が吹き上がる。ワンテンポ遅れて飛び出してきた、巨大な”何かが”ダンテとなのは目掛けて一直線に飛び掛るのを見て、フェイトは思わず声を張り上げかけて。 それよりも早く、ダンテがホルダーに収めていた拳銃を一挺ずつ抜き放った二人が背中合わせに最後のポーズを決め、飛び出してきた半身すらないムンドゥスに止めの銃弾を叩き込んだ。 「「Jack pot!!」」 前へ 目次へ
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エキゾティックな屋台で本格カリーはいかが この屋台で提供されるカリーはとっても特別なんです。なぜって、ディズニー映画『アラジ ン』でもおなじみの空飛ぶじゅうたんが王国中から運び込んできたものだから。本格カリー を食べれば、気分はすっかりアラビアンナイトの主人公? 低アレルゲンメニューあり カウンターサービス 座席数…約850席 提供:ハウス食品株式会社
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test -- (yoshua) 2009-03-26 19 37 12
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Lyrical Magical Stylish Mission 05 Rock Days 「イィィヤァァ!!」 「ぶち抜けぇ!!」 ダンテのスティンガーミサイルの如き刺突が兜の割れたブレイドの脳天を一撃の下に刺し貫き、爆砕する。 その硬直を狙った二体目のブレイドは、なのはの放ったディバインバスターの直撃を受け、そのエネルギーに耐え切れなかったか、溶けるように消滅していく。 「GAAAAAAAAAA!!」 二体を犠牲に二人に生まれた僅かな隙、その隙を逃すまいと、残る一体のブレイドが地面をぶち抜いて、地中から空中にいるなのはめがけて疾風の如き勢いで迫る。 だが、そんな決死の特攻も全てダンテとなのはの掌の上で踊らされているのだということに、残念ながらブレイドは最後まで気付くことはなかった。 「ハッ、見え見えだぜ?」 「もうちょっと考えたほうがいいよ?」 背中に目がついているかのような正確無比な銃撃がなのはを狙った爪を腕ごと吹き飛ばし、その衝撃で体勢が崩れたブレイドに、なのはの一撃が炸裂する。 強烈な魔弾は狙いたがわずブレイドの頭を直撃し、勢い余って大地に強く叩き付けた。 「やれやれ、毎日毎日律儀なことだ」 「ホントです。ちょっとぐらい休ませてくれてもいいと思うんですけどね」 「全くだぜ」 最後のブレイドを撃破したなのはは、ダンテの隣に降りてくる。今回も二人は悪魔の群相手に傷一つ負わない完勝を見せていた。 最初の方こそ、慣れない共闘にいらぬ傷を負ったりすることもあったが、今では完璧なコンビネーションを見せるまでに至っている。 ダンテの言うとおり、毎日毎日現れる悪魔に体力や魔力は削られるものの、いざ魔界に行ったときに必須となるコンビネーションをここまで高められたのだから、差し引きで言えば大幅なプラスであろう。 「今日はこれで全部みたいですね」 「そうだな、周囲の瘴気も消えたみたいだし、今日はこれで打ち止めだろ」 ダンテはリベリオンをギターケースに仕舞い、なのはもまたバリアジャケットを解いて、完全にこの場での戦闘が終わったことを再確認する。 ダンテとなのはの邂逅から三日、ブレイドやフェティッシュ、デス・シザースといったダンテ曰くある程度上等な連中が割と頻出するようになっていた。 「ふぅ……」 「お疲れかい?」 疲れた様子のなのはに意味もなくニヤニヤしながら、ダンテは側にあった自動販売機で缶コーヒーを買い、一本をなのはに向って放る。 なのははそれを受け取り、ブラックであることに顔を顰めながらダンテに聞き返した。というか、普通疲れている相手には甘いコーヒーではないのか。 「ダンテさんは疲れないんですか?」 「ヘイ、この程度で疲れてたら魔界になんて行けないぜ」 「うー……努力します」 口を尖らせて言う。ブラックコーヒーの苦さにか、体力面においては圧倒的に劣る自分への苛立ちか。おそらく両方であろうが。 そんななのはに、ダンテは苦笑しながらもガラじゃないアドバイスなんぞをしてみる。 「なのは、お前さんはもう少しペース配分を覚えな。全力で戦い続けてたらあっという間にヘバっちまうぜ」 「ダンテさんにそれを言われるなんて……」 「俺はいいんだよ、俺は」 どこかコントじみたやり取りも大分板についてきたようで、なのははダンテのリアクションに一々腹を立てることもなくなっていた。 最も、ダンテにしてみればそれは少しばかりつまらないことなのだが。 「もういいです」 「Huh? そうかい」 「はぁ……帰りましょう」 「だな」 二人の共闘が始まってから三日、ダンテはその間高町家に居候という形を取り、なのはとともに海鳴に出現する悪魔の掃討に当たっていた。 ダンテ曰く管理局のちょっかいも最初の二回を除いて行われてはいない。なのははクロノやフェイトのことが気がかりだったが、ダンテは気分良さそうだった。 「敵、強くなってますよね」 「そうだな、最初に比べりゃ上等な連中が出てきてる。もうすぐかな」 「そうですか……後どのくらいか、分かりますか?」 「さあなぁ、まだわかんねーな」 「そうですか」 ダンテはいつでも構わなかったが、なのははもう少し時間が欲しかった。 コンビネーションこそかなりのレベルまで上がってきているけれど、なのは自身の戦闘力という面から見れば、大して成長していないことが自分でも痛感できるからだ。 「……私、強くなってますか?」 それでも気になるのはしょうがないと言うべきだろうか。なのはは多少不安げにダンテを見上げ、聞く。 なのはからすれば当然の疑問だが、ダンテにとってはなのはがこんなことを言い出すのはひどく意外だったようだ。 「ヘイどうした? 今さら臆病風にでも吹かれたか?」 「そんなんじゃないですけど……気になるじゃないですか」 「そんなもんかねぇ。吹き飛べとかぶっ散れとかぶち抜けとか言ってるガキからは想像も出来ねーな」 「……そんなこと言ってましたっけ」 記憶がないが、確かにさっきも止めを刺す際にそんなことを言った気もする。ダンテはさも面白おかしく感じているのか、腹を抱えて笑いながらなのはの頭に手を置いた。 「仮に、足手まといだから諦めろって言ったらお前は諦めるか?」 「まさか。魔界に行く日までに並んでみせますよ。一度決めたことを諦めるほど、私人間出来てないんです」 「クックック、本当に面白いぜお前。まあそうだな、その日が来たらプレゼントを一つやろう。それまで頑張りな」 「ダンテさんからのプレゼントですか……楽しみにしてますね」 「ハッハッハ、欲しけりゃもうちっと頑張りな」 「分かってますよ」 頭に置かれたダンテの手を無造作に払いのけつつ、なのはは決心を新たにした。その顔には、隣で歩くダンテが浮かべるような、大胆不敵で且つ凶悪な笑顔が浮かんでいたとか。 「プレゼントかぁ……何くれるんだろう」 夜、自室でぼんやりと考え事。ダンテは今日も飽きずに士郎と酒盛りをしている。 そんな狂乱の宴に参加する気はさらさらないなのははダンテを放置して自室で休んでいた。 「ダンテさんがまともな物くれるとは思えないけどなぁ……」 それでも、楽しみではあった。 ベッドにうつぶせになって色々想像をめぐらしていると、携帯電話が慣れた着信音を響かせる。 「……アースラ? 誰だろ」 着信画面を見てみると、アースラからの電話だった。おそらくクロノがまた何か言って来るのだろう、あるいはフェイトが説得しようとしているのかも知れない、なのはは渋々電話を取る。 疲れているが、無視して何度もかけられ、安眠を妨害されるのは避けたかった。 「もしもし?」 「なのは? 良かった、もう寝てるかと思った」 だが、聞こえてきたのはクロノでもフェイトでもない声だった。その声に覚えのあったなのはは多少驚きつつ、返事をする。 「ユーノ君?」 「そうだよ」 「どうしたの?」 「エ……じゃない、クロノから色々聞かされたよ。また何かやらかそうとしているらしいね?」 苦笑を感じさせるユーノの声。どうやら、ユーノもまたクロノに言われてなのはを説得しようとしているらしい。 「あー……まあね」 「良かったらでいいんだけど、詳しく話してくれないかな」 「うー……ゴメン。ぶっちゃけちゃうと、今回のことはユーノ君には関係ないし、巻き込んじゃうから」 どうしたもんかと少しの間逡巡したが、やはり話さないほうがいい。なのははそう決断する。 「やっぱりそうだよね」 「ゴメンね」 「ううん、大丈夫。なのはがそう言うときは何言っても無駄だって分かってるし」 「あははは……」 ユーノもまた、まともに説得する気はなかったらしい。あっさりと折れてくれたことに余計な体力を使わなくて済むとなのはは安堵する。 「それでも、手伝えることってないかな?」 「うーんと……手伝ってくれるなら助かるけど、やっぱりいいよ。ユーノ君はユーノ君の好きに動いて。私たちがやってることは管理局から見ればいけないことだし、それに巻き込みたくないから」 「そうか……」 ユーノの助力は確かにありがたい、けれど、何の関係もないユーノが犯罪者になる可能性があることをさせたくはなかった。 予想はしていたのだろうが、それでも残念そうな声色になのはは慌てて何かないかと考える。そして閃いた。 「……あ、じゃあさ」 「ん?」 「治癒魔法、教えて」 「……唐突だね」 「今閃いたからね。この先必要になりそうだけど、クロノ君には聞けないし」 「それもそうか」 なのはは治癒魔法を使えない。知ってる中で使えるのはクロノとユーノぐらいであるが、当然ながらクロノには聞けない。 だが、魔界に行くことになったなら当然ながら傷を負うことが考えられるし、その傷を放置したまま連戦するほどの体力はなのはにはない。 「……分かった。いつがいい?」 「明日にでも。朝早く魔法の練習してるから、その時がいいな」 なのはは早朝訓練の時間と場所を告げて、二人の通話は切れた。 なのはは朝学校に向かい、ダンテはひとしきり家で士郎や恭也と本人曰く遊んだ後、街をフラフラ散歩する。悪魔が昼間に出ればなのはは学校を抜け出してダンテと共に戦い、出なければ授業中は寝て過ごす。 その後、ダンテがなぜか学校に迎えに来て一緒に帰り、悪魔が出るまでもしくは夕飯までみっちり組み手。それ以降、悪魔が出るまでは家でなのはは休みつつ、ダンテは酒盛りをしつつ待機という生活が続いていた。 ちなみに、深夜に出た場合はダンテ一人で戦うことになっていた。 最初こそ深夜は出なかったものの、ここ最近は毎日のように出ており、人界と魔界を隔てる境界が薄くなってきたことを如実に表していた。 「さて……今日はどこに行くかな」 そんなわけで、なのはが学校に行くのを見送った後、士郎と恭也をボコボコにし、気分のよくなったダンテはあらかた把握したこの街の地図を頭に思い浮かべながら呟く。 そろそろ、門を開いても大丈夫そうな場所を検討しないといけないのだが。 「うーん……どこもダメそうだな、おい」 やはり、街中に開いたらどこで開いても被害が大きくなりそうである。とすれば海上しかないのだが。 「気が乗らねーなぁ、帰ってきたときに海に落ちるのは勘弁だぜ」 どこか無人島でも付近にあればそこが一番いいのだが、臨海公園から海を眺めてみてもそれらしきものは見えなかったし、なのはや士郎に聞いてもそんなものは近くにないと言われている。 「……しょーがね、海上にすっか」 ダンテは渋々決定し、臨海公園へとやって来た。確か、モーターボートの貸し出しを行っていたはずだ。 ギターケースの奥底に虎の子の札束が入っていることを確認し、ダンテは貸しモーターボート屋へと歩き出す。 「おいオヤジ、船一艘売ってくれ」 「は? 何言ってんだ兄さん」 「俺は物分りの悪いやつが嫌いでね。なに、誰もタダでとは言ってねーよ、コイツでどうだ」 どがっ! とテーブルに叩き付けた札束の山。少なく見積もっても、モーターボート三艘は優に買える金額だろうか。 オヤジは今までに見たことも無い金の山に目が飛び出るほど驚いているようだ。 「……一艘でいいのかい?」 「ああ。ただし、いつ俺が来ても最高の状態で出れるようにしとけ」 「お安い御用だ。毎度アリ」 ダンテのよく知る情報屋に近い臭いを感じ、顔を顰めながらも、このタイプの人間は仕事はきっちりこなすだろうと思い、ダンテはこれ以上用はないと踵を返す。 さっさと翠屋に行って口直しのパフェを食べなくては。 「じゃあな。そのうちまた来る」 「ああ、兄さん。船の名前はどうするよ」 背中にかけられた声に舌打ちするが、車やバイクと違って船は名前をつけるもんだということを思い出す。 せっかく買ったんだし、派手にぶちかますことになるだろうから、景気付けに最高にクールな名前をつけてやるのも悪くない。 「あー……そうだな、Devil May Cryにしといてくれ。出来る限り派手に、ロックな感じでな」 サラサラと紙に綴る。悪魔も泣き出す船、ダンテとなのはが魔界に行く際に使うにはふさわしい名前だろう。 「デビル・メイ・クライ、ね。確かに承ったぜ。ところで兄さん、コイツはどー言う意味なんだ?」 「……悪魔も泣き出す、そんな意味だ」 「へぇ……ハハハ、確かに兄さんに睨まれたら悪魔も泣き出すかもな」 「こんないい男捕まえて失礼だなオイ」 門を開くための足は確保。手は既にダンテの手中にある。後は機をみて飛び込むだけだ。 ダンテは今度こそスッカラカンになった財布を情けない顔で見つめ、翠屋にツケで食わせてもらうことにした。 カッ、カッ、カッ……定期的に黒板から聞こえてくる堅い音と、教師の説明の声のハーモニーががなのはの眠気を誘う。 今日もまたダンテにひどくしごかれることだろう、そう考えたなのはは眠気に逆らわずに堕ちていく。 そして――― 「…………」 「せんせー?」 チョークを握る手がプルプルと震えている。最近急激に素行が悪化したなのはだが、優しさに定評のある担任は何か事情があるのだろうと随分見逃してきたつもりだった。 「すー……すー……」 だが、やはり目に余る。小学生からこんな調子で行っては、中学高校とどうなるか分かったものではない。ここは、やはりビシッと決めるべきだ。 最初のほうはうつらうつらしながら必死に耐える様子を見せていたなのはだが、ここのところは遠慮も何もあったものではなくなっていた。 授業の開始の起立、礼、着席のときは回りに起こされ渋々起き上がり、着席の瞬間眠りについている。終わりの時は起きないことが多々。 そのくせ、突然授業中に立ち上がって 「先生、トイレに行ってきます!」 という完全に事後承諾の発言を残し教室から逃走、そのまま数十分帰って来ないことも数度。いくらなのはたちの担任がおおらかだと言っても、物には限度というものがあるのだ。 「……いいですか、皆さん。皆さんもこれから先、中学高校となると授業で寝てしまうことはあるでしょう。先生もありました」 プルプル震える手でチョークを握り締めながら、担任は児童たちに向き直る。その顔を見た数名が小さな悲鳴を上げたことなど、これからすることに比べれば瑣末なことだ。 手のひらの中でバキャッ! と音を立ててチョークが二つに割れる。それを見た児童たちが後ずさりしたのも、これからすることに比べればどうでもいいことだ。 「ですが……やはり授業中に寝るのはいけないことです。どうせやるならもっと隠れる努力なりをしないといけないのです」 完全にブチキレた声色をしている。光が眼鏡に当たって目が外から窺えないのも、それを助長している要因であるのは間違いない。 「せ、せんせー?」 「覚えておきなさい……度を超すと、こうなるんですっ!!」 教師の右手が閃く。短くなったチョークは本来の目的を忘れ一筋の閃光と化し、無防備に晒されたなのはの頭部へと吸い込まれるように突き進む。 だが、それより早く、慣れた感覚にカッと目を見開いたなのはがいた。 パキィン チョークの砕け散る軽い音がする。 「Sweet……Baby!!(最高だぜ、ベイビー!!)」 咄嗟に振り抜いたのはもちろんレイジングハート―――ではなく、ただのものさし。 ダンテのリベリオンよろしく振り抜いた後肩に担ぎ、椅子と机、そして机に広げてあった二時間前の教科書の上に足を乗せて、なのはは最高の笑顔で言い放った。 もちろん、左手は手招きを忘れていない。 「…………」 「…………」 時が止まった。当然だが。周りの児童たちはポカーンと口を開け、唯一なのはの隣に座っていた男子だけがなのはの打ち抜いたチョークの破片を浴びて顔を抑え蹲っている。 「……高町、さん?」 「あ、あは、あはは、あはははは……」 何が起こったのかを理解し、なのはは笑うしかなかった。 「廊下に……立ってなさあああああああああああい!!!!!」 「ごめんなさーーーーーいっ!!!!」 廊下におっぽりだされるという初めての経験をして溜息をつく。そして、聞こえてきた声に更に溜息をついた。 「Cool. Bravo. Absolute」 「……レイジングハート、それ、褒めてるの?」 「Of course」 「…………」 ダンテとの訓練は着実に成果を上げているようである。 「Let s Rock!」 シン・サイズを三体纏めてぶち抜いた魔弾が、軌道を変えて地中から飛び出してきたブレイドを叩き伏せる。 「イィィィヤアアァ!!」 その隙を逃さずにダンテの兜割がブレイドを両断。悲鳴を上げて土くれに還るブレイドにはもはや一瞥もくれず、ダンテは次なる相手へと走っていく。 「ハアッ!!」 「Bingo!」 斬り上げで上空に吹き飛ばしたところになのはの魔弾が炸裂し、哀れなヘル・スロースが元の砂となって大地に降り注ぐ。 真下にいたダンテは、砂の嵐を受ける前にもう一体のヘル・スロースの元へ移動しており、剣が分裂したかのような連続刺突で反撃の暇を全く与えずに撃破。 そのまま剣を突き刺し、剣を軸にコマのように回転して周囲の敵を薙ぎ払う。一通り吹き飛ばした後、遠目から炎を吐こうとしていたフェティッシュに向けて突撃。それを邪魔しようとするヘル・プライドと斬り結ぶ。 「Rock it!!」 ダンテがヘル・プライドやフェティッシュを相手にしている背後から襲いかかろうとしていたアビスをなのはが放ったディバインバスターが焼き尽くし、放り投げられた鎌が哀れな悪魔に直撃する。 「ハッハァ!!」 「Blast!!」 止めとばかりにダンテが炎を纏う拳を大地に叩きつけ現界した灼熱地獄に、上空から無数の白光が槍と化して突き刺さる。 白い槍に縫い付けられ、地獄の炎で焼かれた悪魔たちは灰すら残さずに消滅していった。 「Too easy!」 「……ヘイヘイなのはよぉ、さっきから俺の台詞取るんじゃねーよ」 「え、あ、あのー……」 なのはは上機嫌に決めポーズまでとったりしていたが、消えゆく炎の中から出てきたダンテはいまいち消化不良といった感じであった。 それもそのはず、先ほどまでから言おうとしていた台詞を全てなのはが取っていたのだから、スタイリッシュを標榜するダンテにとっては余り面白い事態ではない。 「そーいうの、嫌いなんじゃなかったのか?」 「……つい勢いで」 「まあ……いいんだけどよ」 なのははまたやってしまったと自己嫌悪に陥る。最近、ダンテの影響のせいか、学校でも時々口走ってしまうのだ。 「……ダンテさんのせいですからね」 「ハッハッハ、いい傾向じゃねーかよ」 「絶対そんなことないですっ! 友達にも引かれるし、やめろって言われるし、私だってやめたいですよ!」 思わず口走った台詞を聞いた友人の反応は例外なくドン引き。なのははそのたびに悔い改めようと誓うのだが、どうしてもテンションが上がると言ってしまうようだ。 「ユーモアを理解しない友人たちだな」 「普通の友達と言ってください」 なのはは半眼になって呻く。なのはみたいなごくごく普通の小学生がいきなり「Com n winp!(来な、ノロマ野郎!)」なんて口走ろうものなら、意味のわかる人も分からない人も例外なく引くに決まっている。 ちなみに、言ったのはドッジボールの時間。ボールを持った男子相手に言ってのけた。 さらに間の悪いことに、なのはには英語を理解できる友人がいる。アリサは始めてなのはが言ったのを聞いたとき、目をつり上げて割と本気で説教した。 あのときのアリサは結構本気で怖かった、なのはは後にすずかに語っている。 「今日は終わりですか?」 「多分な」 「じゃあ、帰りましょう」 「そうするか」 ダンテは武器を仕舞い、なのははバリアジャケットを解く。一連の動作は、戦闘が終結したことを知らせる二人の間の取り決めみたいになっていた。 「なのはさぁ、最近また何かやってるでしょ」 「え……えーっと、その……」 「で、また言えないと」 「う……ゴメン」 喫茶翠屋、店外に設置されたテーブルに、なのは、アリサ、すずかの三人が座っている。そこで、最近授業中や日常生活での様子がおかしいなのはにアリサが詰め寄っている場面である。 「まあまあアリサちゃん」 「わかってるけどさ」 「ゴメンね」 以前、PT事件のときも似たようなやり取りがあったのだが、今回は輪をかけて二人は心配をしている。何せ、なのはの言動が急激に悪化しているのだから。 もっとも、その元凶は事件というよりは近く関わっている人間の影響なのだが、そんなのを二人が知る由もなく。 「ヘイ、お嬢さん方。相席させてもらっていいかい?」 平和なテーブルに突如現れた赤いコートを纏った大男。なのはは愕然とし、アリサとすずかは状況についていけず呆然としている。 なのはに悪影響を与えまくった元凶、ダンテがパフェを片手に佇んでいた。 (ちょっと! 何しに来たんですか!?) (周りを見てみな。混んでるんだよ) なのはは思わず念話で聞いてしまう。随分キツイ口調だったが、ダンテの言に渋々周囲を見回すと、中も外もダンテの言うとおり満席だった。 ならば、知った顔のいるテーブルにお邪魔するというのも仕方のないことかもしれない。なのはは嫌々ながらダンテを席に通す。 「あ……この前なのはを迎えに来てた人だ」 「そういえばそうだね」 なのはにとって不幸だったのは、ダンテ自身は覚えていなくても、アリサとすずかはダンテのことを覚えていたことだった。 それもそのはず、三人で帰ろうとしたら校門のところにいたこの男がなのはを迎えに来たと言い放ったのだから。 結局なのははダンテと共に帰り、二人はそのことについて随分議論を交わしたりした。激論だった。曰く、彼氏。ありえない、知人。それこそおかしい。等々。 「えーっと……はぁ、この人はダンテさんって言って、お父さんの昔のお友達なの。それで、今はウチに泊ってるんだ」 なのは、もうどうにでもなれ。まあ、この二人がいるなら余り妙なことは言わないだろう。多分。凄く不安だが、こうなってしまったら変に追い出すのもおかしい。 「そうなんだ」 「うん。ホラ、ちょっと見た目が怖いじゃない? だからこの間は言わないほうがいいかなって思って……」 ダンテが迎えに来た翌日、なのはは随分問い詰められたものだ。結局逃げ回って答えなかったツケがここで回ってきた。 「ふーん?」 「な、なに?」 「いやまさか、なのはにこんな大きな彼氏が出来るなんて思ってもいなくてね」 「ちょ! アリサちゃん!?」 「Easy does it. 落ち着けよ。詳しく聞かせてくれ」 「ダンテさん!!!」 ドガン! とテーブルが割れる勢いで手を叩きつける。衝撃でダンテのストロベリーサンデーが一瞬浮いた。 「ヘイヘイ、そう怒るなよ」 「……誰のせいだと」 「それよか、そっちの二人は紹介してくれねーのか?」 「……アリサちゃんとすずかちゃん。私の親友だから、ちょっとでも怪しいそぶり見せたら本気で怒りますからね」 「アリサ・バニングスです」 「月村すずかです」 「ご丁寧にどうも。俺はダンテ、いつまでこの町にいるかはわからねーが、一つヨロシク」 二人の挨拶に、ダンテは芝居がかった会釈で返す。なのはは本気でとっとと失せて欲しいと思ったが、親友二人はそれを許してはくれないようだ。 「それでそれで、なのはとはどういう関係なんですか!?」 「あー……そりゃー」 いつの時代も女の子の興味はこの話題が一番なのだろうか。ダンテは困ったようになのはを見る。なのはは半眼でダンテに対して釘を刺す。 「妙なこと言ったらほんっきで怒りますよ」 「なのはは黙ってて。是非ホントの事を教えてください」 「ホントってなぁ……照れるよな、なのは?」 「キャーやっぱり!」 「ダンテさんっ!!!!!」 なのは激怒。ダンテちょっとビビる。やはり、女の怒りには勝てそうもない。ダンテは本気で、まだプレゼントであるあれを渡していなくて良かったと思った。 この辺一体が吹き飛んでてもおかしくない怒りようだ。 「オーライ、俺が悪かった。だから落ち着けよ」 「なのはー」 「うう……」 二人でいるときならまだここまで怒鳴ったりはしなかっただろう。 周囲の客もなんだなんだと好奇の目を向けてくるし、喉は痛いし、なぜかなのはが悪いみたいになってるし、踏んだり蹴ったリとはこのことである。 「……そういえばダンテさん、さっきなんとおっしゃったんですか?」 「さっき?」 「ほら、英語で」 「ああ、『Easy does it』落ち着けよって意味だ」 「なのはがこの間言ってたね」 「ちょ! アリサちゃん!?」 「そりゃもう、ダンテさんにそっくりな感じで」 「へぇ?」 「し、知らない。知らないんだから!!」 「Easy does it. 落ち着けよ、テーブルが割れるぞ」 「割れないよ!!!!」 どちらかというと、テーブルが割れるより先になのはの血管が切れそうである。ダンテはそれを見て爆笑していた。止めろよ。 あの後、すずかとアリサが用事があるとのことで解散となり、なのはとダンテは並んで高町家へと帰っていた。 「うう……ひどい目にあった」 「いやー楽しかっだっ!?」 散々なのはをからかって楽しんだダンテに仕返し。思いっきり踏んづけてやった。もっとも、驚いて声が上ずっただけで、ダンテ自身はケロッとしているのであるが。 「ヒデェなおい」 「どっちが」 やれやれ、とダンテは頭を掻きながらなのはの隣を歩く。さっきから頭を抱えたり唸り声を上げたりダンテの足を踏んづけたり、中々どうして傍目で見るには面白い行動を繰り返している。 そんなダンテの内心にも気付かないなのはは明日の学校が憂鬱で憂鬱で仕方なかった。あの二人のことだし、余りおおっぴらに吹聴はしないだろうが、それでも心配は心配だ。 あの二人以外にもダンテの姿を目撃している人物は大勢いるのだから。 「明日どうなるんだろう……」 「なんだ、それなら心配いらねーよ」 「……ダンテさん?」 「明日、出るぞ」 こともなげに言う。なのはは一瞬ダンテが何を言っているのか理解できなかったが、いよいよとばかりに気を引き締め――― 「……でも、夜に出るなら学校は行かなきゃダメじゃないですか」 「あ、そっか」 「…………」 「だから、その可哀想な人を見る目はやめろっての」 なんとも締りのない出発予告になってしまったとか。 「痛たたた……」 「やれやれ、大丈夫か?」 道場に寝っ転がったなのはは、体を苛む鈍痛に顔を顰める。今もまた、ダンテに投げ飛ばされたのだ。 「大丈夫です」 「ならばよし。時間も時間だし、そろそろ終わるか」 「そうですね……」 日課の組み手が終わりを告げる。組み手というか、相変わらずダンテが一方的になのはを攻撃し、なのはがそれをひたすら防ぐという内容だったのだが。 慣れてきて、何とか反撃してやろうと試みたが、全く出来なかったことになのはは内心悔しがる。 「どうだ、ちったあ身についたか?」 「そりゃもう。日々の実戦で実感してますよ」 「ソイツは良かった」 それでも、攻撃ではなく防御と回避、それに通じる危機察知能力を鍛えてくれたダンテになのはは感謝していた。 なのは自身も言ったとおり、日々湧き出る悪魔との戦いで感覚は昇華され、短い期間の割には随分と信頼できるレベルにまでなっていたからだ。 それはもう、今日の授業中が証明している。 「初日なんざ、アてられただけでビビッて足が竦んでたのによ。大した成長だぜ」 今日なんかは、反撃まで入れようとしてきたのだ。ここ数日のなのはの成長にダンテは内心驚嘆していた。 これならば、自身がかつて使った武具を預けることも出来るだろう。この間言ったプレゼントだ。 「そんなお前に、約束のプレゼントだ」 ダンテはどこからか取り出した白く発光する篭手と具足をなのはの前に置く。 「……これが、ですか?」 「ああ。コイツはベオウルフっていう魔具でね。頑張ったお前さんにやろう」 「……どうやって使うんですか?」 「腕と足に填めるんだ」 「大きすぎますけど」 「ベオウルフが認めれば、サイズは勝手に修正される。なに、今のお前なら大丈夫だ」 言われるままに、なのははベオウルフを装着しようとして、大きすぎて無理だったためにダンテに付けてもらう。すると、ベオウルフが激しく震え、発光する。 「きゃっ……あ、あれ?」 「ハハハ、合格おめでとう、ってな」 「凄い……」 なのはのサイズにあわせて小さくなったベオウルフが、なのはの手足で光り輝く。ひょんなことから得た新たな力に、なのはは興奮を隠さずにダンテに向かって聞く。 「で、どうやって使うんですか?」 「そのまま殴れ、って言いたいんだがな。お前さんがそれを使って殴っても大して効果は出ないだろう。こればっかりはしょうがない」 どうしても腕力的な意味で、なのははダンテどころか一般人にも大きく劣る。それはもう、子供だししょうがないことだ。 それでも、出鼻を挫かれたなのはは少しガッカリした様子でダンテを問い詰める。 「じゃあなんで」 「ソイツはスンゲー頑丈だからな。咄嗟のときはソイツで防御しな。そのためのもんだと思え」 「……成る程」 しかし、さすがに意味もなく渡したわけではなかった。レイジングハートは確かに頑丈だが、万が一壊れた場合なのはは戦う手段を失うことになる。 ダンテ自身が知る上級悪魔の攻撃の威力から考えて、最悪の事態にならないないためにもダンテは盾としてベオウルフを預けたのだ。 「コイツはオマケだ。外に行くぞ」 「へ?」 ダンテ、なのはを連れ立って庭へ。ニヤニヤ顔のダンテと、理由が分からないなのはが庭の開けた場所へ出る。 「思いっきり地面を殴ってみろ。掛け声は”Go to the hell”だ」 「はぁ……」 「いいか、全力だぞ?」 「分かってます……Go to the hell!!」 掛け声の意味も理解しないまま、全力で拳を地面に叩きつける。すると、インパクトの瞬間ベオウルフが強く輝き、上空を含むなのはの周囲に白光が吹き上がる。 「え、えええ!?」 「ヴォルケイノ、お前が使えそうなベオウルフの技の中でも最強のもんだ。ここぞってときに使いな」 範囲や威力はダンテが使うときに比べて数段下がるが、元々攻撃力に特化したベオウルフの技だ。なのはが使ったとしても、十分通用する破壊力である。 ダンテはそう判断した。 「あ、ありがとうございます」 「なに、いいってことよ」 「ところで、あの掛け声ってどういう意味なんです?」 「地獄へ落ちろ」 「……良かった、学校で言わなくて」 なのははダンテの言った言葉を覚えていた。意味もわからなかったが、これだけは使わなくて良かったと本気で思った。場面にもよるだろうが、確実に人格を疑われる。 「……掛け声言う意味、あるんですか?」 「ああ、ある。言うのと言わないのじゃ威力が違うんだ」 「ホントですかそれ」 「無論、嘘だ」 無言で振るわれたベオウルフの一撃がダンテの腹に炸裂する。 「いてぇな、おい」 「知りません」 魔界突入まで突然ながら残り一日。なのはは、成長した自分に確かな手ごたえを感じていた。 「ところで、これ着けたまま今日明日生活するんですか?」 「もちろんだ。マミィやフレンドに聞かれたらファッションだって言うんだぜ?」 その夜、なのはがダンテをボコボコに殴ったとか殴らなかったとか。 前へ 目次へ 次へ
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水曜ダンジョン マッドダンテ 死霊種族の進化素材、火属性のスキル書などがドロップします。 アルビノモンスターの出現率やアイテムドロップ率はステージ難易度が上がるほどアップします。 解放条件 第1章「魑魅魍魎の主」クリア スケジュール 隔週水曜 0 00~23 59 隔週日曜(1時間ローテーション時) ①9 00~9 59 ②22 00~22 59 難易度 スタミナ 獲得EXP 獲得GOLD 弱点属性 初級 5 400 800 火属性 中級 10 840 1,600 火属性 上級 15 1,360 2,600 火属性 超級 20 2,160 3,600 火属性 地獄級 30 3,440 5,400 火属性 超地獄級 40 4,760 7,200 火属性 絶級 50 4,800 12,000 火属性 初級~超地獄級 マッドダンテ 種族 タイプ 属性 レア コスト HP 攻撃 魔力 防御 素早 パッシブスキル名 パッシブスキル(最大時) 死霊 魔法 雷 ★4 20 1748 908 1967 969 966 雷精霊の恩寵【大】 【全】雷属性攻撃1.5倍 詳細 【水曜】曜日ダンジョン、強襲オールスター②、死霊アルビノオールスターズ マッドダンテ(アルビノ) 種族 タイプ 属性 レア コスト HP 攻撃 魔力 防御 素早 パッシブスキル名 パッシブスキル(最大時) 死霊 魔法 雷 ★4 20 1748 908 2164 969 1043 雷精霊の恩寵【大】 【全】雷属性攻撃1.5倍 詳細 【水曜】曜日ダンジョン、死霊アルビノオールスター アルビノはボスを倒した後に低確率で出現(難易度が高い方が出現率も高い) ドロップアイテム(初級~超級) 結晶石 進化素材:死霊の魂、死霊の超魂、虹の超魂 進化スキル書:【怨呪】炎斬の書、【怨呪】炎の書 スキル書進化素材:強進の勾玉、強進の珠、火の宝珠、火の宝玉 SRスキル書:ダブルサンダーの書 ドロップアイテム(地獄級・超地獄級) 結晶石 進化素材:死霊の魂、死霊の超魂、虹の超魂、死霊の極魂 SRスキル書:ダブルサンダーの書 ブレイク系スキル:炎魔崩波(地獄級ボス)、火攻崩波(超地獄級ボス)、防崩火波(アルビノ) 超級まではモンスター進化素材、スキル書進化素材などがドロップ。 地獄級からはボスがフォース(Mフォース)ブレイク、アルビノボスがガードブレイク系のスキル書をドロップします。 極魂もドロップしますがブレイク系スキル書、極魂のドロップ率はかなり低いです。 絶級 マッドダンテ(アルビノ) 種族 タイプ 属性 レア コスト HP 攻撃 魔力 防御 素早 パッシブスキル名 パッシブスキル(最大時) 死霊 魔法 雷 ★4 20 1748 908 2164 969 1043 雷精霊の恩寵【大】 【全】雷属性攻撃1.5倍 詳細 【水曜】曜日ダンジョン、死霊アルビノオールスター バスターダンテ 種族 タイプ 属性 レア コスト HP 攻撃 魔力 防御 素早 パッシブスキル名 パッシブスキル(最大時) 死霊 魔法 雷 ★5 25 1940 1008 2402 1066 1148 雷精霊の恩寵【極】 【全】雷属性攻撃1.85倍 詳細 【進化素材】猿帝聖ハヌマーン(アルビノ)、ヴリトラ絶滅種(アルビノ)、大精霊ラタトクス(アルビノ) 絶級ではアルビノが固定ボスとして出現、倒した後に低確率で★5が出現します。 ドロップアイテム(絶級) 進化素材:虹の超魂、死霊の極魂、族長の超魂、神の魂、神の超魂 ブレイク系スキル書:超炎魔崩波(アルビノ)、超防崩火波(★5) 絶級ではブレイク系スキルの上位版が低確率でドロップします。 曜日ダンジョン 1週目 月曜 大司教ルーシー 火曜 デスクジャタ 水曜 深死海棲姫レテナ 木曜 大凶神キュウキ 金曜 ヴリトラ絶滅種 土曜 極黒曜トリポカ 日曜 メイデンガール 曜日ダンジョン 2週目 月曜 豪炎剣神ラックル 火曜 大精霊ラタトクス 水曜 マッドダンテ 木曜 兇サラシナ邪姫 金曜 デスカオスギドラ 土曜 猿帝聖ハヌマーン 日曜 1時間ローテーション| 今日 - 昨日 - 合計 -
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「力をあわせて!館をプリツィーア!」*編集中 [部分編集] 「力をあわせて!館をプリツィーア!」*編集中開催期間 館のお掃除(仮) お掃除 獲得できるポイント 思い出(「お仕事体験プリマヴォルタ」から導入) 報酬ファミリー ※編集中 特攻ファミリー(仮)★★ファミリー ★★★ファミリー 報酬 ※編集中 ポイント報酬 ポイントランキング報酬 開催期間 2013年12月4日15時から2013年12月12日19時まで予定 館のお掃除(仮) 執務室 左 執務室 中 執務室 右 厨房 左 厨房 中 厨房 右 廊下 左 廊下 中 廊下 右 MAPの9ヶ所のエリアから探索する場所を選んで探索を進める。 タコ壺を使うとメイドが掃除をしていないエリアを特定できる。 一緒に行動しているイベント特攻ファミリーがヒントをくれることがある。 ※失敗した場合を除き、お掃除エリアが移動することはない。 消費体力 -2から徐々に増えて最大で-10消費する。エンドレスから-8消費で固定。 ノヴァに遭遇で体力10回復 お掃除 汚れた場所を見つけたら、攻撃力0、20、50、100のいずれかを使ってお掃除をする。 攻撃力 0 成功率 極低 攻撃力 20 成功率 低 攻撃力 50 成功率 中 攻撃力 100 成功率 確実 撃退して、?GETチャンス。 お掃除開始から10分以内に行動しないとメイド・トリアーデが先に掃除をしてしまう。 獲得できるポイント 条件 獲得pt お掃除成功 +10pt エリアのクリア +1pt 思い出(「お仕事体験プリマヴォルタ」から導入) 特別シナリオ名 登場キャラ 開示条件 「掃除の極意とメイド服」 ノエミ お掃除を30回成功 「絶対美学のアッコンチャトーレ」 ノーノ お掃除を50回成功 「初めて見せた清掃婦のソッリーゾ」 エルシ お掃除を75回成功 「棚の奥に眠るテゾーロ」 ダンテ お掃除を100回成功 「掃除の後のグイデルドーネ」 ノヴァ お掃除を150回成功 ※ 手に入れた特別シナリオはイベント終了後は、アルバムから確認できるようになる。 なお、こちらの特別シナリオは期間限定特典のため、アップ予定はありません。頑張って、イベント期間内に条件達成してお楽しみください。 報酬ファミリー ※編集中 [部分編集] 名前 MAX攻撃力 MAX防御力 コスト スキル(効果) 契約後 MAX攻撃力 MAX防御力 コスト [お掃除]エルシ★★(愛) 3300 3250 8 見ている清掃婦(愛タイプの防御力が中アップ) [お掃除]エルシ+★★+ 4150 4030 9 [お掃除]ノエミ★★(歌) 3340 3460 8 バケツぐるぐるパンチ(自分の攻撃力が中アップ) [お掃除]ノエミ+★★+ 3900 4240 9 [お掃除]ノーノ★★(食) 3700 3640 8 けっ!潔癖症(食タイプの防御力が中アップ) [お掃除]ノーノ+★★+ 4250 4200 9 [お掃除無双]ダンテ★★★(歌) 5150 4100 11 丁寧な磨き掃除(歌タイプの防御力が大アップ) [そうじゃない掃除]ダンテ+★★★+ 6650 5600 13 [お掃除ポルターレ]ノヴァ★★★(愛) 5800 5300 13 ジャッポネ式お掃除(愛タイプの攻撃力が大アップ) [和心の台所]ノヴァ+★★★+ 8200 7600 15 特攻ファミリー(仮) イベント特攻効果:お掃除エリアを1つ減らす(レア度による変化なし) ★★ファミリー [お掃除]エルシ<契約→>[お掃除]エルシ+ [お掃除]ノエミ<契約→>[お掃除]ノエミ+ [お掃除]ノーノ<契約→>[お掃除]ノーノ+ ★★★ファミリー [お掃除無双]ダンテ<契約→>[そうじゃない掃除]ダンテ+ ※イベント特効ファミリーはリーダー、または攻撃編成コートカードに編成した時のみ効力発揮する。(自動編成では効力発揮しない。) ※攻撃編成に特効ファミリーを複数入れることでさらに効果発揮(例 特効ファミリー2人設定で、捜査エリア2箇所減らすことが出来る。) 報酬 ※編集中 [部分編集] 掃除中にランダムでお宝を見つけることがある。 30000レガーロリラ 50000レガーロリラ 自分専用ピザカット 自分専用ピザハーフ 自分専用ピザ 自分専用ラザニアハーフ タコ壺 [ご奉仕]メリエラ★★(愛) [ご奉仕]イザベラ★★(食) [ご奉仕]ドナテラ★★(歌) [献身奉仕]メリエラ★★★(愛) [献身奉仕]ドナテラ★★★(歌) [献身奉仕]イザベラ★★★(食) [お掃除]エルシ★★(愛) [お掃除]ノエミ★★(歌) [お掃除]ノーノ★★(食) [お掃除無双]ダンテ★★★(歌) [実際に確認できたもの] ポイント報酬 [部分編集] ポイント数 ポイント報酬 ポイント数 ポイント報酬 10pt 自分専用ピザカット×2 460pt 自分専用ラザニア×1 20pt タコ壺×1 500pt 200,000レガーロリラ 40pt 100,000レガーロリラ 540pt タコ壺×2 60pt 自分専用ピザハーフ×1 580pt リ・アマンティの鍵×1 80pt レガーロメダル×1 620pt 自分専用ラザニアハーフ×2 100pt [お掃除]ノーノ★★(食)×1 660pt ゴールドガチャチケット×1 120pt タコ壺×1 700pt [お掃除]エルシ★★(愛)×1 140pt 自分専用ピザハーフ×1 740pt タコ壺×2 170pt レガーロメダル×1 780pt 自分専用ラザニア×1 200pt 自分専用ピザハーフ×1 820pt [献身奉仕]ドナテラ★★★(歌)×1 230pt タコ壺×2 860pt タコ壺×2 260pt 自分専用ラザニアハーフ×1 900pt [お掃除無双]ダンテ★★★(歌)×1 300pt [お掃除]ノエミ★★(歌)×1 950pt 自分専用ラザニア×1 340pt 自分専用ピザハーフ×1 1,000pt ゴールドガチャチケット×1 380pt レガーロメダル×1 1,050pt 自分専用ラザニアハーフ×2 420pt 自分専用ピザ×1 1,100pt 自分専用ピザハーフ×2 (以降50pt毎に報酬Get!) ポイントランキング報酬 [部分編集] 新型(「レガーロ猫ちゃん警備隊」から) ランキング順位 ポイントランキング報酬 1~100位 [お掃除ポルターレ]ノヴァ★★★(愛)×2、ゴールドガチャチケット×1、リ・アマンティの鍵×1、100000レガーロリラ 101~200位 [お掃除ポルターレ]ノヴァ★★★(愛)×1、ゴールドガチャチケット×1、リ・アマンティの鍵×1、50000レガーロリラ 201~300位 [お掃除ポルターレ]ノヴァ★★★(愛)×1、ゴールドガチャチケット×1、レガーロメダル×5、20000レガーロリラ 301~400位 [お掃除ポルターレ]ノヴァ★★★(愛)×1、自分専用ピザ×1、レガーロメダル×3、10000レガーロリラ 401~500位 [献身奉仕]ドナテラ★★★(歌)×1、自分専用ピザ×1、レガーロメダル×2、10000レガーロリラ 501~1000位 [献身奉仕]イザベラ★★★(食)×1、自分専用ピザ×1、レガーロメダル×1、10000レガーロリラ 1001~1500位 [ご奉仕]メリエラ★★(愛)×1、自分専用ピザ×1、10000レガーロリラ 1501~2000位 [ご奉仕]イザベラ★★(食)×1、自分専用ピザハーフ×1、10000レガーロリラ 2001~3000位 [ご奉仕]ドナテラ★★(歌)×1、10000レガーロリラ 情報不足です。編集できる方は直接編集をお願いします。 編集できない方も、コメントに情報投稿お願いします。 名前 コメント